
骨と美容の深い関係――顔のハリ低下を食い止める
骨密度が肌・顔のたるみに直結!?「骨美容」という新しい考え方と、その背景にある医学的根拠を女性向けにまとめました。
骨粗鬆症は骨折のリスクや歩行能力の低下など、健康面への影響が注目されがちですが、実は美容面にも深く関係しています。特に顔の骨密度が低下すると、皮膚や筋肉を支える構造そのものが縮小・変形し、シワやたるみ、フェイスラインの崩れが起こりやすくなります。
近年「骨美容(Bone Beauty)」というコンセプトが広がりつつありますが、これは骨密度と顔の美しさを一体で考えるアプローチです。特に40代以降の女性においては、骨量の減少が見た目の変化に直結するため、近年、美容意識の高い層にも注目されています。
顔の骨構造、特に頬骨や顎のラインは、皮膚や脂肪を支える土台として重要です。加齢による骨量の減少によりこの支えが弱まると、いわゆる“たるみ顔”が形成されます。これは単なる表皮の老化とは異なり、骨格そのものの変化とも深い関係があります。
例えば、頬の骨密度が低下すると皮膚が下がり、ほうれい線やマリオネットライン(口角の下の深いシワ)が深くなり、口角も下がって見えるようになります。これらは一見すると肌の衰えに見えますが、実は骨から始まっている現象かもしれません。また、輪郭がぼやけた印象になるのも、エラや顎の骨が痩せることでフェイスラインが崩れる、骨の老化による現象の一つです。美容の根本的な改善を目指すならば、骨の健康に目を向けてみてはいかがでしょうか。
では、どのように骨美容を実践していけば良いのでしょうか?私たちのおすすめは、まずは、DXA検査によって自身の骨密度を把握することです。これにより、全身の骨量を客観的に評価し、必要な対策を講じることができます。次に、カルシウムやビタミンD、たんぱく質といった骨を構成する栄養素を適切に摂取したり、さらに、ウォーキングや筋トレなどの運動を通じて骨に刺激を与えることができれば、骨量の維持・向上に繋がり、なお良いでしょう。
近年では、これらの生活習慣改善に加えて、美容皮膚科では骨密度の維持やコラーゲン生成を促す施術も行われており、内外両面からのアプローチが進められています。顔のたるみ対策として美容医療を受ける前に、まず“骨から考える美容”を取り入れることで、より根本的かつ長期的な若々しさの維持が可能になります。